地方こそ複業人材を!子育てママの複業の始めかた。
1月27日(金)、飛行機に乗ってはるばる松山まで来たのは、このイベントのためでした。
Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス全国拡大記念イベント第三弾
地方こそ複業人材を!
子育てママの複業の始めかた。
パラレルワーカー4人のトークセッション。私も登壇させていただきました。
会場は、デジタルハリウッドSTUDIO 松山・香川。オンラインで2拠点をつないだ全国版イベントで、とても盛り上がりました!
私自身、パラレルワーカーとして活動していますが、いま四国でこのイベントを行うのはなぜか。それは、
地方こそ複業人材を!
というメッセージが込められているから。
そう言われてもどうやって…と、ピンと来ていない人も多いのではないでしょうか。
アフターコロナのこの時代、この数年で働き方は大きく変化しました。奇しくもコロナのおかげでリモートワークがしやすい時代になったからこそ、仕事をするために都会に住まなければいけないという発想はすこし時代遅れ。
好きな場所に住んで、好きな仕事ができる時代。それは、ひとつじゃなくても、複数だっていい。
そんな発想がこれまでなかったあなたにこそ伝えたいことが盛りだくさんなのが、今回のイベントです。実際にこうやって複業としてて仕事をしている人たちがいることを、地方在住のみなさんにこそ知ってもらいたい。
愛媛県を盛り上げている団体 eQuality Project と 昨年愛媛県松山市にスタジオを開講したデジタルハリウッドスタジオによるトークイベントでした。
eQuality Project について
愛媛と世界を = でつなぐ!
首都圏と愛媛で企業と人材をクロスマッチングさせ、場所に限らず「稼げる力」を世界に送り出すことを目指しているeQuality Project さんからは、代表の豊田さんと眞鍋さんが登壇してくださいました。
パラレルワーカーとしての経験談やヒストリーをはじめ、eQuality Projectさんの企業と人材をつなぐ、デジタル人材に仕事を提供する立場からの貴重なお話を聞くことができました。
共同開催の eQuality Project さんのイベントレポートはこちら
第1部 「複業」ってどんな働き方?
「複業」ってどんな働き方?「複業」をはじめたきっかけは?
「複業」と「副業」は、同じ「ふくぎょう」なのに意味合いが全く異なります。
サブという形としての「副業」と、「パラレルワーク」としての複業。
今回登壇する全員が「複業」としての働き方を実現しています。つまり、どの仕事をしている自分も「本業」というスタイルです。
まずはじめに、どうやってそこにたどり着いたのかの経緯を一人一人お話しいただきました。
eQuality Project 代表:豊田さん
eQuality Project は「複業」を作っている立場となります。岡山出身だけれども、愛媛大学を卒業したことがきっかけで、仕事で愛媛と関わりたいという思いが芽生え、愛媛と東京をつなぐ仕事を始めたそうです。大学卒業後、情報発信をメインとした仕事をしていて、その後、地方に移住転職を支援する会社に転職した豊田さん。2人目が0歳の時に、その仕事の軸を愛媛に置くことを決心したそうです。これが eQuality Project の誕生のきっかけでした。
創業に至った経緯をお伺いすると
ノリと勢い!
と語る豊田さん。ずっと会社員でいても、会社の中で評価は上がるけど、もうちょっと何かできるのでは…という思いが芽生えたそうです。チャレンジしていけるところまでいってみたい!という気持ちで、勢いでeQuality Projectをスタートしたそうです。
「資金繰りなどの不安はあったけど、それを解消するために地固めもしていき危ない橋は渡らないようにしました。」と語る豊田さん。
子育てをしてからは働き方の意識は「ハードモード」!仕事も子育てもしっかりやっていきたいという思いで現在のお仕事をされているそうです。
eQuality Project:眞鍋さん
愛媛県宇和島市生まれ。愛媛のメーカーの技術部門に就職。その後、香川県の空港でインバウンド事業にて販売、建物管理部門にてサポート業務をしていました。コロナの影響を受けて退職し、「家で仕事をしたい」という思いからプログラミング学校でITスキルを学び、現在はオールリモートで複数の企業の業務支援をしているそうです。そして、eQuality Projectの仕組み作りも担当されているとのこと。
オールリモートでこのような仕事をしています。
- 外資系企業の進行管理
- PR会社の社長秘書
- スポーツメディア媒体のアシスタント
- クラウドファンディングの会議アシスタント
リモートで複数の仕事をするコツは?
優先順位をつけて納期から逆算して複数のお仕事を並行して行なっているそうです。働き方としては、会社で働いている時とほとんど一緒だけれども、保育園に子供がいる間にできる仕事を選んだりできるところも複業ならではの働き方に感じました。
ただ、自分で管理が必要なので、休むことと仕事のバランスをとることが大事!はじめのうちはバランスがわからなかったけれども、やってみて「これくらいなら受けられる!」とだんだん自分の中でのバランスがつかめてきたそうです。
CA × Webデザイン:みつはし
岩手県出身。田舎に生まれ育ち、海外に行くことだけを夢見ていた幼少期。夢が叶って海外留学・その後外資系航空会社CAになるも、行き当たりばったりの生き方で「将来どうしよう」を考えてきませんでした…。しかし、結婚し、子育てが始まり、多くの同僚が仕事をやめていく中で「このままでいいのかな」という気持ちが芽生え始めました。
第二子育休の時に、Webデザイナーという職業があることを知り、デジハリの門を叩いたのがパラレルワークを始めたきっかけです。これまで「手に職」に憧れを持ちながら、ここにたどり着くまでに多くの資格や副業にチャレンジしてきたけれど、どれも身になりませんでした。このWebデザインの仕事は、試行錯誤の結果と、偶然が偶然を呼んでいろんな条件が合い、結果として「手に職」となり、パラレルワークを実現することができました。
私がパラレルワークをすることにそれほど抵抗がなかったのは、もともと外資系の航空会社で働いていたからということもあります。北欧では、働きながら学び直すことも、複数の仕事を持っていることも、よくあることです。日本のように、複業しづらい環境はありません。
私の場合、CAの仕事は月に2-3往復のみ。拘束日数としては、月に8-12日くらいです。それ以外の時間は、家族との時間に使ったり、新しい学びの時間に使ったり、人によって様々です。複業を始めるのに条件としては最高でしたが、私の場合、問題は「何をやるか?」でした。
そこでWebデザイナーというポータブルスキルを見つけることができたのは、私としてはラッキーなことでした。このスキルのおかげで、時間と場所を選ばず、好きな時間に好きな場所で仕事をすることができて、人生の質が上がっています。
デジハリ松山1期生:小田さん
生まれも育ちも就職も愛媛!ご主人が海外単身赴任になり、ワンオペ育児に。「子どもとの時間を大事にしたい」という思いがあり、このままの働き方でいいのかなと考えている時に「Webデザイナー」という仕事を知ったそうです。同時期のタイミングで、デジタルハリウッド スタジオ松山校が開校したことを知り、問い合わせをしたことがデジハリとの出会いでした。
新しい未来が描けそうだな。やってみたい!
と直感に従い、勇気を持って飛び込んで、デジタルハリウッド スタジオ松山校の第一期生として入学されました。
卒業後、こんな複業の働き方に
- デジハリでサポーター
- 県内の企業・個人事業主さんのクリエイティブ面のお手伝い
- ブランディングの会社でディレクション
- ハーブティー屋さんの立ち上げ
入学時は、今の自分の働き方は想像していなかったと小田さんはいいます。本当にこの仕事でお金を得ることができるのか?という確信もないまま、しっかりとした未来を描いていたわけではなく、直感を信じて学びを続けたそうです。
子育てもしたい。仕事もしたい。
どちらかを諦めるのではなく、どちらも叶える。それがきっとここにはあるという直感を信じて入学した小田さん。
もともと勤めていた会社は安定の大手だったので、周りからも「どうしてやめるの?もったいない!」と言われたそう。でも、仕事をやめてこの働き方になって、子どもの関わり方が変わったと言っていました。
いつもイライラしていたのが、働き方を変えたことで時間の組み立てが変わって、子どもの成長にしっかり向き合うことができるようになりました。
とおっしゃっていて、直感は確信に変わり、間違いなくWebデザイナーそしてパラレルワーカーとして確実な一歩を歩み出しています!
全く違う複業をこなすコツとは?
この中で私だけは、WebとCAという完全に大きく違う真逆の仕事をパラレルワークとしています。どんな感じでやっているのでしょうか?という質問を受けたので、そのお話をさせていただきました。
もともと、CAの仕事は拘束時間が短く、休日が多い上に、ステイ先では「休むことが仕事」とされているので、時間がたっぷりありました。ずっと、その時間を何か有意義に使えないかなと思っていたところ、Webデザインという仕事を知ったという流れです。
実はわたし、CAの仕事が「好きを形にした」ようなもので、これまで仕事と思ってやったことがないのです。だからこそ、「好きなことばかりやっていてこのままでいいのか?」という迷いが強かったこともあって、色々な仕事や資格に「副業」として手を出してみました。でも、どれも本業に替われるほどのパッションもなく、収入面でもなかなか満足いく結果が得られなかったところ、Webデザインという仕事があることを知りました。
Webの仕事の方はCAの仕事よりも働いている!という感じがものすごくあります。人のために制作をして、そのフィードバックも直接届く距離感なので、自分のした仕事が人の役に立っていることを肌で感じることができるところが好きです。フリーランスということもあって、サラリーマンであればこれまでやらなくてよかった事務関係のことも自分でやらなければいけないので、より一層見える形で「働いた!」感があります。
パラレルワークを始めた頃は、CAとWebの仕事があまりにも違っているので、どうバランスをとるか苦労しましたが、もともと私の本業として働いている外資系の会社では、
休むことも仕事のうち。
という考え方があります。休まないと怒られます!
これは仕事とプライベートが切り離されていないヨーロッパならではの考え方で、勤勉な日本人には眼から鱗の考え方かもしれません。でも、ヨーロッパのように仕事とプライベートが乖離しない働き方が、長く仕事を続けていく上で大事で、生活の質を上げていくことにもつながるのではないかと思います。
私は、不規則な仕事とマッチする「複業」としてWebの仕事を見つけたことで、もともと転職しようと思って色々探していたはずだったのですが、「あれ?実はこれ続けられるのでは?」と感じて、今の働き方にたどりついています。そして、毎日めまぐるしく変わる働き方が、飽き性な自分の性格にとても合っていると思います。
複業を始める上で大事なこと
このトークセッションに登壇した人たち全員に共通して言えることがこれ
まずはやってみよう
が出発点。飛び込んでみる少しだけの勇気が、そのさきの人生を変えていることがわかりました。
だけど、それと同時に
自分を大事にしよう
も大事だね、ということも見えてきました。パラレルワーカーは忙しさのあまり、自分をおろそかにしがちです。
フリーランスやパラレルワークだと「休みなさい」と言ってくれる人がいません。つまり、管理は自分ですることになってしまいます。そういった意味では、パラレルワークは誰にでも合う働き方というより、働き方のひとつの選択肢です。
いま会社員として働いていて苦しい思いをしていて、でも仕方なしに働いている人がいるのだとしたら、世の中にはこんな働き方もあるんだよ、と知ってもらえたら嬉しいです。
特に、主婦ママ世代だと、なかなか会社員としての働き方にハマりづらくてキャリアを継続するのに苦労しがちです。そんな時に、我慢するのではなく、自分の得意なことや好きなことを活かして、パラレルワークという働き方を目指してみるのもいいのではないかなと思います。
「自分がやってみたい」を大事にしよう
「シャンパンタワーの法則」って知っていますか?
シャンパンタワーの法則は、1番上を自分自身、2段目を身近な人や家族、3段目を友だちや一緒に働いている仲間、4段目をお客様と見立てて、シャンパン(エネルギー)を注ぐ考え方です。
つまり、自分自身が満たされていないと、周りを大事にできない!ということ。
主婦ママ世代は、自分を犠牲にしがちですが、子どもや家族を幸せにしたいなら、まずは自分自身が幸せになる方法を探してみるのもいいと思います。
また、「やってみたい」という思いすら我慢してしまう人も多いのではないかと思いますが、その「やってみたい」が結果的にあなたの身近な誰かのためになるのだとしたら、それはきっと「やってみたい」思いを後押ししてくれるはず。
自分自身が求められる人材になるために、学びも必要。
まずは自分がどうしたいのか、その心の声に耳を傾けてみましょう。
第2部 複業人材に求められるスキルは?
「複業人材に求められるスキルは?女性がもっと働きやすくなるには?」についてのトークが交わされました。
そして eQuality Project のお二人から、複業人材に求められるスキルを教えていただきました!
企業と対話する中で「求められる人材」とは?
- コミュニケーション能力
- 先回り能力
- 周りに求められる役割に柔軟に対応していく力
リモートでも画面の先に相手がいる!
意図や背景をしっかり伝えていく必要がある。テキストコミュニケーションでは、冷たく聞こえないように配慮する。
ニーズに対して何ができるかを的確に伝える!
現場に行くと見渡せるけど、リモートだと見えない。だから想像力をフル回転させる。先回りして振り回されないようにする。
自分が何者なのか決めなくてもいい
自分が何者なのか、一定の肩書きに縛られなくてもいい。そのニーズに応え続けていくと何かにはなれる。相手に求められるものでそれが決まってもいいい。
女性の方が複業に向いている?
女性の方が、マルチタスクをこなすのに強い傾向にあると言われています。“男性に向いている”、”女性に向いている” 役割は、やっぱりあると思う、というのが、たくさんの人材を見てきたお二人のご意見でした。
女性としての特性を活かして働くのに「パラレルワーク」スタイルはとても合っていると思います。
といいうことはやっぱり、女性・主婦ママならではの特性を「複業」という働き方で活かせる可能性は高いと思います。
仕事をして困ったことが起きた時の解決方法は?
真鍋さんから経験談を話していただきました。
自分が経験したことがない背景を持つ人とコミュニケーションを取る状況になったことがあります。その時に「なぜかわからないけどきつい」という状況になりました。
真鍋さんは、なぜ自分がキツいと感じているのか因数分解をして、どうしたら解決できるかを分析した上で解決方法について相談したそうです。原因を自分なりに分析した上で相談することで、解決につながったそうです。
この経験談から「相談する」こともスキルのひとつだなということがわかりました。そして、相談できる信頼できるパートナーがいることも大事です。
相談できる相手がいることで、仕事の加速度が増します。フリーランスやパラレルワーカーとして働くためには、横のつながりもとても大事なのだということに気づかされました。
おわりに
1時間半では時間が足りなかったです!まだまだ一人一人に聞きたいことがたくさん。私も、パラレルワーカーとして発信したいことがたくさんありました!
またこのようなイベントで、同じパラレルワーカーと対談し、もっと日本の世の中に「複業」という考え方を広めていけたらとても嬉しいです!
今回、第一弾・第二弾に引き続き、様々なバックグラウンドを持つ主婦ママが働き方を模索するお話を聞くことができ、自分自身も感じることが多かったです。
このイベントは、Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス全国拡大記念イベントとして行われました。
「うちの会社では副業禁止だから…」
「そういう働き方をしている人は周りにいないから…」
という理由で、変われるきっかけを手放してしまうのはもったいない。もうそういう時代ではなく、自分の人生は自分で変えていく時代です。
アフターコロナのこの時代、この数年で働き方は大きく変化しました。奇しくもコロナのおかげでリモートワークがしやすい時代になったからこそ、コロナ前からは考えられないほど多様な働き方ができるようになりました。
今は、好きな場所に住んで、好きな仕事ができる時代。そのためにWebのスキルを身につけるのは、ひとつの手段としてベストなチョイスです。
私も、パラレルワーカーとして、もっと時間や環境に縛られない自由な働き方ができる世の中が広まるよう、自分の経験を元にいろいろなところでお話ししていきたいと思います。
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